鶴御崎パノラマ展望ブリッジ ’91    

  ・大分県佐伯市鶴見町
  ・1991年11月完成
  ・鉄筋コンクリート造
  ・展望台
  ・441.8u

  ・設計監理
   意匠:山口隆史建築設計室
   構造:来馬 雅史

  ・施工:山口建設

  大分県南部、リアス式海岸特有の幾重にも曲がりくねった長い道のどんづまりが、豊後水道に突き出た九州最東端の鶴御崎。
  海から急勾配で這いあがった岬の標高280mの台地は、密生した椿やうばめ樫にビッシリ覆われ、強い海風に構えています。

 1990年の初夏、この場所との最初の出会いのあとに、「悪目立ちしてはいけない」と、スケッチ帳のメモに書き残してあります。
 多分それは、突然のお声掛かりで「頂に展望塔を」と出された課題に対する皮肉を込めたつもりもあったし、その日観た、これから挑むこの場所への強い決意表明でもあったように記憶しています。

  「聳えるよりも、這いつくばってしまいたい」
  あたりの野鳥たちが枝から枝へと遊ぶように、台地の樹高ギリギリに水平のブリッジを架け、日豊海岸国定公園一帯の眺望に加えて、遠くに四国を望む360°のパノラマを眼下におさめ、その足元に、地石を積んだ基壇や、ブリッジに至るアプローチとして男坂、女坂を組み合わせることで、登っては降り、降ってはまた違うアプローチで登るといった按配に、エッシャーのだまし絵風な効果で、エンドレスに辺りの景観を楽しめるような仕掛けです。

  やっと台地が風景となった幸いを、ここを訪れる人たちは喜んでいるようです。

   「惚れて通えば、千里も一里」
  週に一度の片道3時間の漁村訪問は、その後も、幾つかの公共建築づくりで続くこととなりました。

 掲載誌・受賞
   ・GA JAPAN 01 創刊号
   ・’93 日本建築士会連合会「私の推薦する作品」年間優秀賞


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