湯平温泉商店街 石畳浪漫プロジェクト事業 ’03年度
 湯布院町商工会助成事業
コンサルタント委員として参画

・昭和62年度(1987)湯布院コミュニティーマート構想策定時、ご一緒した東京の計画技術研究所(KGK)OBの、寺川ムラまち研究所と平成15年度(2003)の湯平温泉商店街石畳浪漫プロジェクト事業で協働しました。

この報告書で次のように重点プロジェクトを位置づけました。

1:共同温泉を核とする石畳浪漫モデルプロジェクト
2:湯平らしい旅館改修プロジェクト
3:空き店舗再生プロジェクト
4:花合野川、裏から表へプロジェクト

・幸いな事に、このプロジェクトから一年の間を経て、平成17年度〜平成19年度(2005〜2007)の大分県合併地域活力創造特別対策事業−湯平温泉場活力創造事業−として実施される事となりました。石畳浪漫プロジェクトチームは、より発展的に湯平地域全体の活力創造を図る為、各団体、住民の枠を超えた役場に替わる新しい地域のコーディネーターとして、湯平温泉場活力創造会議を設立しました。座長に県職員出身の清水嘉彦氏(現由布市副市長)が座り、気配りリーダー振りを発揮することとなりました。
     


・湯平温泉場活力創造事業の実施に先がけて、地元の発行する広報誌「湯平石畳浪漫」平成163,4月合併号に、次の様な寄稿をしました。


― はじめに −
 平成15年度の《湯平石畳浪漫プロジェクト》にコンサルタントの一員として関わった者として、前段での寺川重俊さんのプロジェクト推進へ向けての心構えを請けた形で、ハード側の提案を試みたいと思います。

― 湯平の地の利と先達に感謝 −


 あらためて少し広域の地図を拡げてみました。
阿蘇山から久住山、由布山、鶴見岳、別府湾をつなぐ北東軸(長さ70km,幅10km)の中に、今をときめく黒川温泉、湯布院温泉、別府温泉、そして湯平温泉がすっぽり入っている事がわかり、あらためてこの名湯ベルト地帯にある湯平温泉の地の利に感謝すべきだなぁと感じたところです。加えて谷間のごく狭い所に密集した集落形態は、他のどの温泉地とも違う親密感と温泉風情をもやらす特徴的なしかけとなっています。

谷間の花合野川に添って石畳の坂道、その枝道の坂や階段のうねり、幾重もの段々状の石垣の屋敷構え。鶴松さんや庄吉さん達手練れ者によるきっちりと積まれたものから素朴な石垣、そして幾度も敷き直されて来た石畳は、先達から脈々と受け継がれて来た湯平のインフラであり最も大切な財産なのです。今や技術的にもコスト的にもやたらと出来るものでなく、大切に修理しながらでも継承して行かなければなりません。

― 八つのツボを押さえましょう 
 地の利やその場所を読みきって、この地の景観をつくった先輩たちに感謝の意を表した上で、今世代がなすべき八つの要点に話を進めたいと思います。指圧の壷と考えていただいても良いし、樹木の根や幹や節や枝と考えてもらうのも一興です。

ツボ−1 赤いトンネル〜橋本橋間のガードレール取替え、
《県道の赤いトンネルから先が湯平温泉の始まりだというのが、皆さんの共通認識となっている様に思います。川沿いの白いガードレールは、この地の景観形成にとって余りに無粋です。今や景観設計型とでも言うのでしょうか、同じ材質、形でダークブラウン色が随所でみられる様になって来ました。県に取り替えのお願いをしたいものです。安全は従来通り確保しつつ、視界は白い帯越しではなくすんなりと山や集落へとつながる事うけあいです。》

ツボ−2 花合野川合流部周辺の景観整備
《いまは駐車場として、湯平温泉の末端に知る人ぞ知る、といった風情です。昭和20年代後半、大水でながされるまで劇場があったと聞いています。またすぐ上隣にある九電発電所取水口まわりの大層見事な石組や、水辺の風景も湯平のたいせつな財産です。鉄条網を他に変えても、上、下の合わせ技で品のよい小公園にでもなれば、散歩や憩いの場として花合野川下流の名所となるでしょう。大きくなった樹木(榎木や桜)も赤いトンネルを抜けてすぐに見える湯平温泉入口のシンボルツリーに昇格します。蛇足とも思いますが、川合流部の護岸石垣整備と共に再び小さな小さな建物があるのも一興かも知れません。》

ツボ−3 橋本橋を含む石畳入口部の修景
《石畳入口部分の顔づくりは、浪漫プロジェクトの中でもとりわけ大きな課題だと考えます。県道のヘアピンカーブ部分、橋本橋〜花合川と、面白い景観デザインの要素をもっています。入口脇の三角地を入口の一部として取り込み、川を感じる橋詰めのデザインが出来れば、入口のアーチや大看板では及びもつかないユニークな玄関口が出来ると思います。入口付近の店舗の方々の協力も不可欠です。》

ツボ−4 銀の湯前ポケットパーク整備 −ヴェストポケットパーク(チョッキのポケット)−
《石畳脇にほんの少し下っている地面。という丈で小広場の条件はすでに整っています。気のきいた床仕上げ、ベンチ、それに小さな足湯でも備えればいう事のないナイススペースになります。》

ツボ−5 石畳屈曲部廻りの修景
《石畳入口から約100メートル地点、石畳幅が広いところから狭くなりかつゆるやかにカーブする部分です。加えて、いかにもロマンチックな名の再逢橋、時雨館とつながる路地と石畳の交差部で、対面には狭い石段道路もあります。歩く人が一息つくところです。石畳正面の旅館の顔づくりがこの場所の重要なデザインポイントとなりますので協力を仰ぐ必要があります。

ツボ−6 石畳と砂湯橋への路地及石畳と段々坂道との交差部の修景
《砂湯橋への路地入口部を石敷きにするのと、段々坂道の一段目を石段にする丈で十分にこの場所は強調され、魅力を増します。足元灯も加わればなおのことです。》

ツボ−7 中の湯前ポケットパークと景観整備
《石畳の中でも「心臓破りの丘」地点です。一気に上って来た人には一息つきたい所でもあります。石畳との段差を利用した適度な大きさの広場や通路、少しの工夫で川向うの緑への目通りが確保でき、右田順天堂の看板煙突、川音も聞こえるといった具合で、空は広くホッとするに必要な基本的骨格は整っています。

「石畳浪漫プロジェクト報告書」の中にある提案も参考になるとおもいます。石畳も含めて催物が出来ます。人が溜まります。湯平を訪れる人たちの最大の魅力ポイントになりそうです。》

ツボ−8 明治橋橋詰め源泉部の景観整備
《上下から源泉へのアプローチが出来るのはうれしい事です。既存の源泉に加えて現「金の湯」建屋の減築改修も含めて考えられれば、川端、橋詰めの景観として評判のものとなるでしょう。

 以上八つのツボを標高の低い方から坂道添いにかきつらねて来ましたが、いずれの場所も心躍る空間づくりの絶好のテーマです。どこから始めてもいいと思います。それぞれのツボは、とりあえずは点でしかありませんが枝や葉や花まで、整備が進むにつれて線や面としてつながり、より楽しく美しい効き目をあらわすことでしょう。

平成17年度から、県や市の補助を受けた改修事業が始まる様です。八つのツボとの関連を是非とも考えておいて欲しいものです。

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